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2005年11月ログ一覧

パワーアップ策

スクーリングで配布したNi-MHバッテリーでは、フライト時間とパワーに余裕が無いので
コンテストのパターンをこなすのはなかなか厳しいものがあります。
今事務局では、コンテストにエントリーしているチームにリポを貸し出す準備を進めています。

が、

Ni-MHでパワーを出す方法を考えてみます。
実は、飛行物体は機体重量、ローターの負荷やギア比、モータコイルの巻き数、電圧、電流などの関係で、
供給するエネルギーを効率良く浮上に使える組み合わせがあります。

自転車を思い浮かべると解りやすいです。
歩くのも自転車も、人間がエネルギーを使うわけですが、自転車のほうが楽に遠くに行けます。
でも、急な坂道では歩くほうが楽。といった具合。

スクーリングで使った機体に対して、Ni-MH 5セル 6V は電圧が低く、効率が
あまり良くありません。もう少し電圧は高いほうがいいのです。
電気だけだと、この根拠は計算しやすいのですが、飛行物体は空気など、なかなか計算しにくい要素があるので、電流などを計測し安い値を参考にして試行錯誤で、良いパラメータをつめていきます。「電圧が低いね」というのは私の経験での判断ですが、はずれてはいないでしょう。

さて、実際どうするか。
スクーリングのときのバッテリー2本のうち、一本からセルを一つ取り出して、もう一方に継ぎ足します。使えるバッテリーが1本になりますが、パワーは確実にアップします。

6セル7.2V のバッテリーが出来るわけです。

dscn2139.jpg 

バッテリーの半田付けはちょっと難しいので、腕に自信のある人意外は挑戦しないほうがいいでしょう。(^^;

機体は楽々上昇するようになりました。
私の、感じでは 7セル 8.4V でもいいような気がしますが、配布した充電器では、充電できない可能性もあります。

さて、
「バッテリー増やしたんだから、パワー出るでしょう」と思いますね。

それじゃ~ 面白くないのです。
バッテリーを増やす –> パワーが増す –> スロットルを少し絞っても浮く
–> 流れる電流が減る。
というわけで、飛行時間も少し延びるのです。

実際は、パワーの余裕といってもわずかなので、目だって飛行時間が延びるところまでは、
いきませんが、エネルギーが回転数だけではなく持続時間にも振り分けられるという理屈になります。

電動レースカーなどは、セル数(つまり電圧)に規制があるので、
モータの巻き数を極端に少なくして、大電流を流す手法を使ったりします。
飛行物体は、ローターのピッチやギア比を調整する手もあります。

—–
電気の世界で言うと、インピーダンスやマッチングといった話になるのですが、
飛行物体は、空気の粘性や重力、機械部分などのかかわりも含めて、
マッチングを考えねばならないわけで、それはそれは、たまらなく面白いわけです。
(^_^)

バッテリーが壊れる原因

過充電や過放電をするとバッテリーが壊れますが、これはなぜでしょう。
電池の種類によって違います。

● スクーリングに使ったニッケル水素や、充電池に良く使われるニッカド
1セル(1個)あたりの電圧が1.2Vと低いので、通常何個かを直列にして使います。
スクーリングで使ったものは5個直列です。

電池の1セルごとの特性にはバラツキがあるのと、直列に組み上げる前の状態で充電状態もバラバラです。
直列接続の電池は、充電も放電も5個のセルに常に同じ電流が流れるわけです。
(直列なので当然)

さて、そうすると1個だけ早くいっぱいになるセルがあったらどうでしょうか。
1つがいっぱいになっても、全体ではいっぱいになっていないので、
充電器はどんどん電流を流し込んできます。先に満充電になったセルは、余分に電流を流し込まれてしまい壊れることになります。

過放電は、もう少し興味深い現象が起きます。
5個のうち一つだけ早くなくなったセルがあったとします。他のセルは元気なので、電流を流して機器に電力を供給します。
この場合も、直列接続である限り、5個のセルには同じ電流が流れつづけます。
すでに無くなったセルは、どうでしょうか。もう供給する電力がないのに電流は流れつづけます。
この、状態はそのセルが充電されているのと同じです。

しかも! 逆さまに!!!

結果、このセルは転極といってプラスとマイナスが反転してしまいます。
反転したら、ひっくり返して使えばいい・・・・というわけにはいきません。
この状態は、ほとんど容量が無く他の電池のお荷物になるだけなのです。

—————
電動飛行機はバッテリーの性能を徹底的に引き出さなければならないので、
ばらつきのある、セルの充電状態をそろえるように調整します。
これは、コンピュータ内蔵の充電器で、端子電圧を計測しながら、
満充電になったあとに、微量の電流をゆっくり流して、不足セルの充電量を補います。
過放電にならないように放電し、同じように充電するという繰り返しを、数回行います。
これで、セルの特性をそろえ、性能を引き出します。

スクーリングで配布した充電器にはこのような機能はないので、
まずは、過放電をしないように注意して、なるべくバッテリーのコンディションを
崩さないようにしなければなりません。

リポの性能

クーリングの時にちょっとだけ使った黄色い電池はリチウムポリマーバッテリーです。

配布したのはニッケル水素バッテリーで 電圧6V 容量220mAh です。
ほぼ同じ重量で、リポは 7.4V 600mAh なので、強力かつ、3倍のフライト時間が取れます。

性能はいいのですが、取り扱いも面倒です。
● 流せる電流の制限
最近のリポは、10C といって、600mAh だと 6Aの電流を流せますが、
これを超えると、バッテリーが急速に劣化し、使えなくなってしまいます。
ショートなどで大電流が流れると、内部でガスが発生し、ケースが破れると
発火することもあります。

● 過充電で壊れる
過充電をすると壊れます。充電には専用充電器で正しく設定して充電する必要があります。
満充電の検出方法が異なるので、ニッカドやニッケル水素用の充電器を使用すると、
過充電や発火が起こるので、専用充電器意外は絶対に使ってはいけません

● 過放電で壊れる
ゆっくりと放電した場合でも、放電を続けて空っぽになると壊れます。
7.4Vのリポは2個のセルを直列に接続したものですが1個あたりの電圧が2.5V程度まで落ちると2度と充電できなくなります。
リポは、メモリー効果が無いので継ぎ足し充電ができますから、
放電しすぎないうちに、こまめに充電するようにします

===
このように、取り扱いを誤ると発火の危険もあるバッテリーなので、
使う場合は、十分に取り扱いを勉強してからにしましょう。

===
価格の目安
7.4V 600mAh のリポは、札幌市内で購入した場合
1個 3000円から4000円

専用充電器は 6000円前後からあります。

ただし、専用充電器は入力として12V~15V位の直流安定化電源が
必要です。

通販ではもう少し安く入手できるようです。

リポの解説URL

K&S という模型用品のメーカーさんで、リポの解説が詳しく書かれています。

http://ks.jp.org/topic/lipo/index.html

北海道経済産業局でのデモフライト

11月2日に実行委員会と事務局メンバーで北海道経済産業局へ当プロジェクトの進捗報告に参りました。
実行委員長の北大 山本先生からスクーリングを終えコンテストを行うにあたり、

・浮遊物体に「壊れる」「直せる」要素が存在すること
・モーターやプロペラの回転音など体感からの情報取得
・バッテリ残量やフライトエリア床の素材などの不確定要素の存在

などが、単純な制御プログラム作成とは異なる魅力になっていること。
また、当初難易度を上げるだけかと思われたこれらの制約が存在することは、「ものづくりはさまざまな拘束条件の中で行われる」という現実に則したことであり、ここからものづくりの本質を参加者へ伝えることが出来るのではないか、など改めて当プロジェクトの本質について説明差し上げました。

その後、局長室にて最新の浮遊物体を使ってのデモフライトを行わせて頂きました。

福岡以来のデモフライト、さらに経済産業局の方々の前でもお披露目となり、緊張します。
最初、絨毯の上から離陸したのですが、アメンボが毛足に引っかかり、まっすぐ上昇することが出来ませんでした。センサーの跳ね返りと共に、実際に飛ばすときは注意が必要ですね。

 pb020129.JPG
それでは、と、今度はテーブルをお借りして、そこから離陸させます。

pb020131.JPG 
今度はまっすぐ上昇しました。テーブル上空では超音波の跳ね返りもよく、モーターの出力制御も非常に滑らかに行われ、安定浮遊しています。

thumb-pb020133.JPGpb020138.JPG しかし、部屋の気流の影響か、テーブル上から流れていしまいます。やはり毛足の長い絨毯は吸音効果が強く、センサーが安定した値を返さないため、機体も大きく上昇下降を繰り返します。 

ここでタイムアップ。機体、制御アプリの細かい調整が功を奏し、今までで最も安定したフライトとなりました。